2022/11/18
皆既月食と生命と
先日、1580年7月以来442年ぶりに皆既月食と惑星食が同時に発生し、次回は2235年になるという事実を知った。その日は何度も家の外に出て、それまで黄色に光っていた月が赤みがかっていくのを見た。自分が見ている月を、ずっと昔のひとたちも見ていたのを想像すると、天体ショーよりも連綿と人間が生活を続け、その命をつないできたことに、何とも言えない感情が込み上げてきた。そして、ふと吉野弘さんの『生命は』を思い出した。この詩は、私が学生だった頃、教育関係の本を読み漁っているときに、偶然福島智さんの文章で引用されているのを見つけたものである。この人間観は、これからも私の中に生き続けるだろう。