特定非営利活動法人
藤沢相談支援ネットワーク

上手に生きる ~大好きな飛行機が教えてくれたこと~

 近年の飛行機の設計は、ある程度の安定を確保しつつも、あえて不安定な状況を制御することで自由度を確保して、結果としてパイロットの思うような操縦を可能にし、なおかつ気流などの変化にも対応できるようにします。

 

 航空機の夜明け前のヨーロッパなどで試みられていた飛行機械は、安定して飛び上がることを最優先に考えていて操縦する技術の発展が遅れていました。1903年アメリカで、世界で最初に動力飛行を成功させたライト兄弟のフライヤー号はもともとの安定性は低い機体でしたが、兄弟の職人芸的なテクニックでたわむ主翼によって機体を傾け左右に旋回することを可能にして、先進国であったフランスなどでも出来なかった「8の字飛行」をヨーロッパ各地で見せつけて世界を驚愕させました。ちなみに、この初飛行では自転車程度の時速10/Hくらいで超低速でした。

 

 最近の航空機はどんな状況であっても、コンピューターによって毎秒高速で何回も計算をして機体をコントロールする技術(フライ・バイ・ワイヤー)を用いて、機体を制御し過激な運動や安定した飛行も可能にしてどんな場面にも対応してパイロットのイメージ通りに飛ぶことを実現しています。
 人生も同じで安定を求めすぎると自由度が減少し、均衡が崩れた時に修復が困難になります。言い換えるならば、古い慣習や固定観念にとらわれていると、新しい局面、価値観に触れた時に混乱をしてしまいます。

 

 人生、いつ何が起こるか分からないし、思ったようにいかないことの方が多いのではないでしょうか。

 

だとすれば新しい局面に対して過去の経験を活かしながらも柔軟に対応して、柳の枝のごとくしなやかに吹かれつつも、フワフワと墜落しないように今日を頑張っていく。とにかく生き残って明日につなげていければ、きっと良い事もあるような気がしませんか?

 

 良い事も悪いことも好奇心を絶やさず、「何ごとも面白がって興味をもって観察してみようという。」「面白そうだからやってみよう。」と新鮮な情報を受け入れて、毎日を過ごして行って、天国に召されるときに「あ~、面白かった!」といって舞い上がって行きたい(逝きたい)ものですね。

ライトフライヤー号(ライト兄弟の初飛行・19031217 日)